高温障害

高温障害

地球温暖化により平均気温が年々上昇しています。作物にはそれぞれの生育に適した気温がありますが、それより高い気温に置かれると生理障害を引き起こします。これが高温障害です。その結果、収量の減少や品質の低下を招きます。

具体的にどのような症状がでるかといえば…

高温障害の原因

高温障害を引き起こす原因はまだ完全には分かっていません。下記のような様々な要因が絡まりあっていると考えられます。

光合成が阻害される

強い日光を受けると植物細胞の温度が上昇します。すると植物は葉の表面にある気孔を閉じて蒸散による水分減少を防ごうとします。結果、二酸化炭素の取り込みが減り光合成による炭素固定(糖分の生成)が阻害されます。

糖分の過剰消費

夜間に高温が続くと、日中に生産した糖分(デンプン)を呼吸で多く消費してしまい、健全な成長ができなくなります。果実や穂に送る糖分も減少して品質低下につながります。

根からの吸収低下

さらに、根からの水分や養分の吸収は温度の影響を強く受けます。土壌の湿度が過度に高いときや或いは乾燥しているときに高温ストレスが加わると根腐れや水分吸収阻害を引き起こします。

高温障害への対策

高温環境下では地温の上昇や土壌水分の不足が起こりやすく、適度な灌水が重要です。 施設栽培の場合、高温対策としてハウス内の温度管理が必要となります。天候の変化に合わせてハウスの両サイドを巻き上げたり、出入り口を開放したり、また換気扇(ファン)などで換気を行います。遮光カーテンや熱線断熱フィルムなども日光の強さを和らげるのに有効です。

近年世界的に注目を集めている新しいタイプの農業資材である「バイオスティミュラント」は過酷な環境からくるストレスをやわらげ、作物を守る働きがあります。ここでは高温ストレスを抑制し植物の生育を助けるバイオスティミュラント資材をご紹介します。

ファイト・オーツー

酵母由来のアミノ酸とキトサンオリゴ糖が植物本来の持つ免疫抵抗性を刺激。攻撃を受けたと勘違いした植物は自らの遺伝子に働きかけて、茎の太い頑強な植物体を作ります。

マリンインパクト

商品説明

北極近海で夏冬を通して60度近くの寒暖差を生き抜く海藻アスコフィラムを原料とするバイオスティミュラント資材マリンインパクト。フコイダン、マンニトール、ベタインなどの環境ストレス耐性成分が高温環境が引き起こすストレスから植物を守ります。

使用法・価格

どんな作物にも使用でき、葉面散布でも土壌散布でも使えます。2~3週ごとの継続的な散布がベストですが、ストレスが予想される時期に予防のために使っていただくのも効果的です。防除の時に合わせて混用散布も可能です。10アール当たり100~200 ml (約400円~)のご使用が目安です。

試験結果

グリーンステム

商品説明

植物由来の成分グリシンベタインが植物細胞の浸透圧を調節し、高温乾燥下の過酷な環境においても植物体内および細胞内の水分量を適度に調節します。

使用法・価格

果樹、野菜など幅広くお使いいただけます。2~3週間間隔で葉面散布または土壌灌注します。10アール当たり200~500gの使用で、大体2,000円~のお値段です。

すずみどりXL

商品説明

吊るすだけの高温対策資材すずみどり。葉の匂いの主成分であるヘキセナールが気孔を開いて蒸散を促進し、植物体内にこもった熱を放出します。同時に二酸化炭素を取り込み、光合成を活性化します。

使用法・価格

ハウスでの育苗や、ハウスでの野菜類や花卉類の栽培に最適です。100m2あたり1~2パックの使用が標準的。1パック約400円です。

エレマックス

商品説明

素早い吸収で注目の新成分「亜リン酸」が過剰に摂取された未消化窒素の代謝を促進。高温下での病気にも強い体を作ります。

使用法・価格

野菜類、果樹類、花卉類など作物全般にお使いいただけます。 育苗期、花芽の充実期、着果・肥大期に効果的です。500~2,000倍の葉面散布が標準的で、7~30日おきに3回程度ご使用ください。10アールあたり約300円程度になります。

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