バイオスティミュラントとは?わかりやすく紹介

バイオスティミュラントって?簡単に説明すると、、

バイオスティミュラントとは、その名が表すとおり植物を「刺激するもの」です。植物を刺激して生来持っている能力を引き出すことで、植物体がより元気になる資材のことをいいます。

農薬、肥料、土壌改良材といった従来のカテゴリーに収まらない、新しいタイプの農業資材です。その主たる効能は「非生物的ストレス」、言い換えれば「環境ストレス」に対する耐性を植物につけることにあります。

植物自身やその周りの環境がもっている本来の力を活用して、環境ストレスに打ち勝ち、収量と品質を向上します。

もう少し詳しく、、

これまでに様々なバイオスティミュラントが開発されてきました。以前からそれとは意識せず使われてきたものもあります。資材の元となる原料で分類してみると、腐植酸、タンパク質分解物(ペプチド、アミノ酸)、海藻の抽出物、キトサンなどのバイオポリマー、ビタミンやミネラル、微生物(菌類・細菌)などがあります。

こうしてバイオスティミュラントはいろんな原料から作られる訳ですが、肥料のように植物への栄養として働くことを期待されているわけではありません。植物が生まれながらに持つ潜在能力に働きかけることによって多岐にわたる作用を植物に促します。養分の利用効率を上昇し、ストレスへの耐性を高め、作物のクオリティと収量を向上させるのです。

バイオスティミュラントの作用点は以下のように様々。そのメカニズムの理解はまだ完全ではありませんが、バイオスティミュラントの重要性の認識の高まりとともに、研究が年々加速しています。

バイオスティミュラントはなぜ必要?

植物が最適の条件で育った時に得られる収量を100とすると、現実には病害虫や雑草による「生物的ストレス」と高温、乾燥、低日照、冠水、低温、凍霜、塩害などによる「非生物的(環境)ストレス」によって収穫が大きく減少します。米国の気候評価機関(National Climate Assessment)によると、作物収量の最大50%が環境ストレスによって損なわれていると推定されています。


この非生物的ストレスによる収量損失を最小化することがバイオスティミュラントの役目となります。

バイオスティミュラント ガイドブック (日本バイオスティミュラント協議会)より
近年、異常気象の度合いが増しているように感じられます。地球の温暖化による気候変動は、植物の成長や作物の収量・品質に影響を及ぼし、持続可能な農業を脅かしています。国際植物防疫条約(IPPC)の報告書によると、温暖化が2°Cを超えると、作物収量の大幅な減少が世界中で予想されるとしています。

環境ストレスの増大とともにバイオスティミュラントの需要も高まっています。現在、バイオスティミュラントの世界市場は年平均10-12%の割合で拡大しています。2021年度の市場規模は約3,000億円であり、5年後の2026年にはその倍になると予想されています。

高温障害の原因

高温障害を引き起こす原因はまだ完全には分かっていません。下記のような様々な要因が絡まりあっていると考えられます。

光合成が阻害される

強い日光を受けると植物細胞の温度が上昇します。すると植物は葉の表面にある気孔を閉じて蒸散による水分減少を防ごうとします。結果、二酸化炭素の取り込みが減り光合成による炭素固定(糖分の生成)が阻害されます。

糖分の過剰消費

夜間に高温が続くと、日中に生産した糖分(デンプン)を呼吸で多く消費してしまい、健全な成長ができなくなります。果実や穂に送る糖分も減少して品質低下につながります。

根からの吸収低下

さらに、根からの水分や養分の吸収は温度の影響を強く受けます。土壌の湿度が過度に高いときや或いは乾燥しているときに高温ストレスが加わると根腐れや水分吸収阻害を引き起こします。

高温障害への対策

高温環境下では地温の上昇や土壌水分の不足が起こりやすく、適度な灌水が重要です。 施設栽培の場合、高温対策としてハウス内の温度管理が必要となります。天候の変化に合わせてハウスの両サイドを巻き上げたり、出入り口を開放したり、また換気扇(ファン)などで換気を行います。遮光カーテンや熱線断熱フィルムなども日光の強さを和らげるのに有効です。

近年世界的に注目を集めている新しいタイプの農業資材である「バイオスティミュラント」は過酷な環境からくるストレスをやわらげ、作物を守る働きがあります。ここでは高温ストレスを抑制し植物の生育を助けるバイオスティミュラント資材をご紹介します。

ファイト・オーツー

酵母由来のアミノ酸とキトサンオリゴ糖が植物本来の持つ免疫抵抗性を刺激。攻撃を受けたと勘違いした植物は自らの遺伝子に働きかけて、茎の太い頑強な植物体を作ります。

マリンインパクト

商品説明

北極近海で夏冬を通して60度近くの寒暖差を生き抜く海藻アスコフィラムを原料とするバイオスティミュラント資材マリンインパクト。フコイダン、マンニトール、ベタインなどの環境ストレス耐性成分が高温環境が引き起こすストレスから植物を守ります。

使用法・価格

どんな作物にも使用でき、葉面散布でも土壌散布でも使えます。2~3週ごとの継続的な散布がベストですが、ストレスが予想される時期に予防のために使っていただくのも効果的です。防除の時に合わせて混用散布も可能です。10アール当たり100~200 ml (約400円~)のご使用が目安です。

試験結果

グリーンステム

商品説明

植物由来の成分グリシンベタインが植物細胞の浸透圧を調節し、高温乾燥下の過酷な環境においても植物体内および細胞内の水分量を適度に調節します。

使用法・価格

果樹、野菜など幅広くお使いいただけます。2~3週間間隔で葉面散布または土壌灌注します。10アール当たり200~500gの使用で、大体2,000円~のお値段です。

すずみどりXL

商品説明

吊るすだけの高温対策資材すずみどり。葉の匂いの主成分であるヘキセナールが気孔を開いて蒸散を促進し、植物体内にこもった熱を放出します。同時に二酸化炭素を取り込み、光合成を活性化します。

使用法・価格

ハウスでの育苗や、ハウスでの野菜類や花卉類の栽培に最適です。100m2あたり1~2パックの使用が標準的。1パック約400円です。

エレマックス

商品説明

素早い吸収で注目の新成分「亜リン酸」が過剰に摂取された未消化窒素の代謝を促進。高温下での病気にも強い体を作ります。

使用法・価格

野菜類、果樹類、花卉類など作物全般にお使いいただけます。 育苗期、花芽の充実期、着果・肥大期に効果的です。500~2,000倍の葉面散布が標準的で、7~30日おきに3回程度ご使用ください。10アールあたり約300円程度になります。

〒162 – 0845
東京都新宿区市谷本村町 2-11
外濠(そとぼり)スカイビルディング 301

COPYRIGHT 株式会社ファイトクローム. ALL RIGHT RESERVED.